大学や会社で「TOEIC 〇点」という言葉をよく耳にします。
組織的にTOEICを受験させる大学や会社もあり、社員にTOEICの勉強を課している会社もあります。
しかし、TOEICは受けたことがない、メリットがいまいち分からない、という人も少なくありません。
そもそもTOEICとは何なのか、受験するメリットはあるのか、解説していきます。
TOEICとは
TOEIC(トイック)とは「Test Of English for International Communication」の略語で、国際コミュニケーションのための英語力テストです。
世界基準の英語検定のようなイメージです。
実は、TOEICと一口に言っても、テストの種類は5種類あります。
英語は大きく「リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング」の4つの能力に分けられますが、これらの組み合わせ、そしてレベルにより5種類の試験が実施されています。
✔リスニング&リーディング(L&R)
✔スピーキング&ライティング(S&W)
✔スピーキング(S)
TOEIC Bridge Tests(初中級者のための比較的平易な試験)
✔リスニング&リーディング(L&R)
✔スピーキング&ライティング(S&W)
以上の5種類です。
一般的に「TOEIC」と呼ばれているのは「TOEIC L&R」
日本で一般的に「TOEIC」と称されるのは「TOEIC L&R」つまり、リスニングとリーディングの試験です。
解答は全てマークシートの選択式で、一斉採点がしやすく受験費用が安いのが特徴です。
集団で受験できるというメリットもあるため、大学や企業がこぞって活用しています。
TOEIC L&Rの内容とテスト構成>
TOEIC L&Rの試験問題の内容と構成ですが、大前提として知っておきたいことがあります。
それは、問題も解答も全て英語だということです。
学校のテストや英検のように「次の中から正しいものを選べ」といった日本語の設問に対して解答するのではなく、問題も指示も英語で書かれています。
リスニングセクション
リスニングセクションは全部で100問あり制限時間は45分、配点は5点刻みで5~495点です。
Part2(25問)応答問題:流れてくる1つの発言に対し、3つの応答から適したものを選択。
Part3(39問)会話問題:放送される会話を聞き、設問に答える。
Part4(30問)説明文問題:放送される説明文を聞き、設問に答える。
リーディングセクション
リーディングセクションもリスニングと同様、全部で100問あり制限時間は75分、配点は5点刻みで5~495点です。
Part6(16問)長文穴埋め問題
Part7(54問)読解問題
リーディングセクションは時間との闘い
リスニングセクションは、問題文も選択肢も放送されて解答していくため、「時間が足りない」という問題は起こりませんが、リーディングセクションは75分の時間配分がカギになります。
特に、Part6の長文穴埋め問題は問題数に対して時間がかかるため、これを飛ばすという戦略を取る人もいます。
スコアの目安と基準
TOEICのスコアは満点が990点です。
400点(英検4級レベル)基礎的な英語能力保有者・中学生レベル
500点(英検3級レベル)日常会話などは問題無くできる・高校生レベル
600点(英検準2級レベル)資格として履歴書に書けるレベルはこのあたりから
700点(英検2級レベル)730点程度以上になれば海外出張に対応できる
800点(英検準1級レベル)860点程度以上になれば英語ペラペラレベル
900点(英検1級レベル)ネイティブに限りなく近いレベル
ざっくりですが、上記のような目安で英語能力をはかることができます。
600点以上になれば「ある程度英語ができる」イメージになり、730点以上は「英語が得意」なレベルになります。
TOEICを受けるメリット
TOEICを受けるメリットは、自分の英語能力を客観的に知る以外にも「資格」として提示できることです。
履歴書に書けるため就職や転職に有利になる
資格として提示できるため、就職や転職の際に履歴書に「TOEIC 〇点」と書けます。
ただ、これが「330点」や「450点」など低い点数だと逆効果になってしまいます。
職種や業種にもよりますが、一般的に
「原則日本語のみで仕事をする」企業の場合は600点以上
「英語を使う業務がある」企業の場合は730点以上
「英語を主とする(外資系など)」企業の場合は860点以上
が堂々と履歴書に書けるスコア目安と言われています。
企業から求められる英語力に達していれば、履歴書に書くことでアピールポイントを増やせます。
英語のテストが免除になることも
企業によっては、あるいは大学受験などでも当てはまるケースがありますが、受験する際に英語のテストを課しているところがあります。
独自の英語テストを用意する場合と、TOEICを受験させる場合がありますが、ここで自分自身のTOEICのスコアを提示することで、試験免除となる可能性があります。
よくあるのが「〇年以内にTOEICを受験し〇点以上のスコアを保有している場合は免除」というパターンです。
もともとTOEICを受験して基準をクリアしたスコアを保有していれば、わざわざテストのために勉強する必要が無くなるため、これはメリットと言えます。
準備・勉強の方法
TOEICを受験するためにはどのような準備や勉強をしたら良いのでしょうか。
高校や大学の受験や、英検を始めとする様々な資格の受験にも共通して言えることですが、やはり「対策」が大事になります。
TOEICの対策をするための勉強法としては次の3つが挙げられます。
学校(スクール)・教室に通う
「TOEIC スクール」や「TOEIC 塾」などで検索すると、学校や教室の案内がヒットします。
学生向けのもの、社会人向けのもの、レベルに合わせた様々なコースなど、機関によって内容や費用は様々です。
短期集中型や、長期間かけて実力を磨いていくタイプのものなど、自分に合ったスクールを選んで受講できます。
費用はかかりますが、講師がつくため分からないところを直接質問できるのが良いところです。
通信教育を受ける
スクールに通わず、自宅で通信教育(オンラインレッスン)を受けることもできます。
若干リーズナブルで、場所を選ばずに受講できる上で、講師に質問しながら学習できるというメリットがあります。
独学で準備する
講師や先生を頼らずに独学で準備をする方法もあります。
手取り足取り教えてくれる頼れる人がいない、分からないことをすぐに質問できない、などのデメリットはありますが、最もお金がかからず、自分のペースで学習を進められます。
独学学習におすすめのTOEIC教材を紹介した記事もありますので、是非ご一読ください。
まとめ
TOEICについて、その内容やメリット、スコアの目安などをまとめました。
就職や転職、進学などでアドバンテージとなるTOEICは、是非一度は受けてみると良いです。
英検と異なり、合否があるわけではないため、お金を出して受験したのに不合格だったという「損した気分」にならず、スコアとして自分の英語能力を客観的に把握できます。
受験する際は、TOEICに特化した教材を使ってしっかりと準備して臨みましょう。
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